2015年02月19日

根管治療(神経を取った後の根の治療)

■根尖病巣
神経をとってしまった歯の根の先に膿がたまり炎症が起こります。

神経をとった後、細菌が入らないようにクスリをつめて封鎖しますが、
その治療が不完全なために根管という神経の入っていた孔に細菌が増殖して
根の先端より出て骨を溶かし膿をためていきます。
その進行は遅く慢性的にすすむため,症状がでるのは冠をかぶせた後、4〜5年後が多いようです。
過労や体調不良で抵抗力が落ちたり、くいしばりや歯軋りなどの習慣があると
急性化し根尖相当部の歯肉が腫れて痛みます。

■原因・治療
原因は根管内の細菌ですので、清掃・殺菌をし緊密にクスリで封鎖(根管充填)すれば治癒します。

ただ治療は口で言うほど簡単ではなく、根管の複雑性・細菌の強さ・
特に奥歯など器具の到達性の難しさも加わり難易度の高い治療です。
なんと言っても細菌は肉眼では見えませんし、根管の入り口も針の先ほどの直径しかない場合もあります。
歯を抜かないで残そうという気持ちと、根気が必要です。(マイクロモーター)

虫歯だけでなく根の先に膿(根尖病巣)がたまってしまって、
歯肉が腫れている歯も根管内の細菌を殺菌することにより治すことが出来ます。(根管治療)

根管が無菌化されれば病巣は縮小し、根尖は再石灰化により閉鎖していきます。

■■CASE1■■海外で治療を受け来日。歯肉が腫れたということで来院されました。
根管充填はされていますが無菌化されておらず、さらにはクスリが先端より突出して感染を大きくしています。
お仕事のためオランダにすぐ帰国しなくてはいけないということと、クスリを完全除去しようとするとさらに押し出してしまい、
感染を広げる可能性もあるので半分まで除去、無菌化を図りました。無菌化処置6ヵ月後のレントゲンでは膿の影は消えていました。
病巣治癒には根管形成や充填よりも無菌化が必要な事がわかります。(根管長測定器)



Posted by yokata at 14:48│Comments(0)
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